探偵日誌

漫画『名探偵コナン』事件整理と私の感想。「-*-*-」より下、ネタバレ可能性アリ。文章力向上中につき拙い部分はご容赦&ご指摘願います。

豪華客船連続殺人事件

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第3巻 File.1[旗本家の一族]

          File.2[密室の秘密]

          File.3[遺産の行方]

          File.4[一族抹殺]

          File.5[暗闇の仕掛人

          File.6[かなわぬ夢]

 

あらすじ

  旗本島に旅行に来ていたコナン、蘭、小五郎の3人は小五郎が帰りの定期船の時間を間違えたため臨時の船に乗っていた。その船は元々貸切で、島で結婚式を挙げていた夏江、武を含む旗本家の一族が乗っていた。

  夕飯を一緒にご馳走になることになり、全員が揃うのを待っていたところに執事の叫び声が響き渡る。様子を見に行くとそこには、血を流して倒れている旗本家統帥・豪蔵の姿があった…。

  コナンの観察によって他殺であることが判明し、犯行時刻の午後8時前後に食堂にいなかった7名が容疑者となった。豪蔵の部屋の前に武が胸に付けていた花が落ちていたという執事の証言で武が疑われると麻理子の口から、実は武は十年前に豪蔵に会社を乗っ取られ自殺した財城産業の社長の息子の財城武彦であり、そのことで豪蔵と口論になっていたということが明かされた。

  自分の正体を認めた武であったが、犯行については否定した。一方、部屋の外に血を拭いた跡があることに気づいたコナンは、更に死体の血の上にパンのカケラが落ちていることに気づき疑問を持つ。

  犯人の疑いがある武を倉庫に監禁し、一族は遺産の話をし始めた。デッキに出た蘭とコナンは、話には加わらず落ち込んでいる夏江を励ましていると、コナンは不気味な音を耳にする。駆けつけてみるとそこには血まみれで死んでいる竜男の姿が…。武の犯行を疑い、倉庫に行くとそこに武は姿はなかった。

  姿を消した武が一族抹殺を企んでいるのではないかというの恐怖に怯えながら、船は進んで行く。

  

  

 

登場人物

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f:id:deteconayuzu:20180428204329j:image旗本夏江(22)…旗本家長男・将一の娘。武の新妻。

f:id:deteconayuzu:20180428204348j:image旗本武(24)…夏江の新夫で婿養子。旗本物産勤務。

f:id:deteconayuzu:20180428204353j:image旗本豪蔵(72)…旗本家当主。旗本グループ総帥。

f:id:deteconayuzu:20180428204618j:image旗本麻理子(43)…旗本家長女。北郎の妻。

f:id:deteconayuzu:20180428204623j:image旗本北郎(47)…麻理子の夫で婿養子。旗本建設副社長。

f:id:deteconayuzu:20180428204632j:image旗本一郎(21)…旗本北郎の一人息子。美大生。

f:id:deteconayuzu:20180428210026j:image旗本祥ニ(41)…旗本家次男。フランス料理シェフ。

f:id:deteconayuzu:20180428204643j:image旗本秋江(26)…夏江の姉。竜男の妻。

f:id:deteconayuzu:20180428204648j:image旗本竜男(26)…秋江の夫で婿養子。ミュージシャン。

f:id:deteconayuzu:20180428204654j:image鈴木賢治(64)…旗本家執事。

 

詳しい家系図 ⬇︎ 夏江さんメモからお借りします。

f:id:deteconayuzu:20180428205123j:image(p16より)

 

 

解決のカギ🔑

パンのカケラ

-*-*-*-*-*-*-*- ネタバレ アリ -*-*-*-*-*-*-*-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

  今回はFile6つ分の長編!本当によく出来た展開&見事な伏線回収で!!どうなっていくかわからない展開、散りばめられた伏線、そして全てが繋がった謎解きの爽快感!2時間映画級の面白さだった!!

  今回のような外界から閉ざされた環境のことをミステリ用語でクローズドサークルというらしい。警察や鑑識が介入出来ないので、状況から純粋に推理だけで解決しなければならない。探偵の腕が試されるね。また、犯人は確実にここにいる、という事実。恐ろしさが増してゾワゾワする…。確実に誰かが犯人なのだが、その容疑者が多かった!みんな怪しくてね。逃げ回る武はもちろん、包丁やパンに関係のあるシェフの祥二や、なんでも知ってる長女の麻理子も…。本当に最後まで誰が犯人だかわからなかった。

  一族のギスギス感。よくある、遺産を巡ったドロドロ一族。それが犯人の犯行に関係あると思いきや、犯行動機は全然違った。切ない犯行動機で。切ない…?よく言えば切なくて、悪く言えば恐ろしい犯行動機…。描く絵は夏江ばかりで、「結婚させてほしい!」と夏江に告白する前に祖父にいうって…。ひとりよがりで恐ろしい。まあ、そんな人だから殺人犯しちゃうのかもしれないけど…。

  豪蔵氏は口調が強いだけであまり間違ったこと言ってない気がする…。「叶わぬ夢は早く捨てろ」と言う言葉、なるほど!絵を描く行為のことではなく、絵の内容、つまり夏江のことだったのか!と。一郎にだけ真実の意味がわかる言葉。「親が親なら、息子も息子だな‼︎」という、親がいとこ同士の結婚という意味の言葉も含めて。(それは深読みしすぎか?)

 

  File.4で描かれていた暗闇での会話のシーンが、丸々1ページあるところが好き。コマは割られてるけどベタ塗りの上にセリフだけで。擬音があったり、文字の書体が違ったりして、絵は描かれていないけれど様子がよくわかるし、誰が喋ってるかもわかるのは面白いな〜と。漫画ならではで!決して青山先生が描くのに疲れたわけではない…と思われる…

 

  そして、今回もコナンくんの表情がとても豊か!新一のことを褒める蘭の言葉に照れるコナンくん♡嬉しいんだねぇ。可愛い。あとは、クローゼットを開け驚くコナンくん!死体見つけたんか!ってくらいの驚きっぷり。そして、特に好きなのは、夏江を見つめるコナンの表情。この、「きっと違う…!なんとかしてあげたい…」の顔(だと私は受け取った)。このp70の左下の一コマ、是非見て欲しい。
  また、絵を描くときに使う木炭とパンのことを「ねえ、これなーに?」と蘭に尋ねていて、美術には詳しくないのかな?珍しいなと感じた。あと、扉絵コナンくんが素敵♡

 

 

 

♠︎博士メカ・その5

  博士メカ第5段は、時計型麻酔銃!「至近距離にいる相手を瞬時に眠らせる事が出来るのじゃ…」by.阿笠博士。一体どんな成分で眠らせているのか…効果持続時間はどれくらいなのか…刺さった後の麻酔針はどうるのか…と色々謎が多いメカだが、ポンコツなおっちゃんに成り替わり推理を披露するためには変声機と合わせて必要不可欠な道具!今度こそ本当に、眠りの小五郎誕生の瞬間。そして、今回で変声機でのおっちゃんの声は59番だと明らかに!これって、発声する人によって同じ番号でも出る声は変わるのかな?

 

♠︎武と夏江
  今回、最も辛い思いをしたのは夏江だろう。愛する人の突然の裏切り、遺産相続に興味のない自分が妬まれ、親戚関係は悪化していく。そんな中祖父や義兄が殺害され、その犯人は武かもしれない。故に、夏江が武を旗本家に引き込まなければ…と恨まれ。色んなものに押し潰されそうになっただろう…夏江の苦しみは量りきれない。しまいには犯行動機までもが夏江に関わるからなぁ。もう、一族から離れた方が幸せになれるよ…。
  そして、武。武は、本当に豪蔵氏に復讐するためだけに夏江と結婚したのか。夏江に想いはなかったのか。

  まず注目したいのが、豪蔵氏と2人きりで話すシーン。豪蔵氏に褒められ素直に喜んでいると受け取れる。復讐心があったらこんな顔はしないだろう。次に、武が財城勇夫の息子の財城武彦だとカミングアウトするシーン。カミングアウト後「で、でもオレは  オレは…」と苦しい表情で何かを弁解しようとしている。そして最後に、推理ショーの最中、武自身が語っていたように、武は監禁中、夏江の叫び声を聞き、いてもたってもいられず倉庫を飛び出しているのだ。たとえ、鍵が開いていたとしても逃げ出さず大人しく監禁されていた方が、さらに誤解されることはなくなると思われる。この行動は夏江を心から大切に思っていなければできない行動だ。

  これらの描写から読み取れるように、やはり武も夏江のことを心から愛していたのだ。たぶん、最初は復讐目的で近づいたんだろうけどね。夏江の魅力に惹かれ、復讐なんかどうでもよくなっちゃったパターンかな。

  この2人には幸せになって欲しいよ…。

 

 

♠︎優しい蘭ちゃん

「武を信じていたのに…もう誰も信じられない!」と絶望している夏江に、「わたしは信じてるよ!」「だって夏江さんが選んだ人でしょ?悪い人のわけないじゃない‼︎」と微笑みかける蘭。かける言葉は「夏江さんならもっといい人に出逢えるわ、元気出して」や、もしくは「まだ武さんが犯人と決まったわけじゃないわ」などでもよかったはずだ。そこを蘭は「信じてる」と言い切った。本人が"なんとなくだけど"と言っているように、確かに根拠は何もない。けれど、それでもまっすぐに、信じてる!と言ってあげられる。

  それはきっと夏江が、自ら発した言葉とは裏腹に心の奥で望んでいた言葉だからだ。曖昧な言葉ではなく、根拠はなくても自分以外にも信じてくれる人がいることを夏江は心強く思ったはずだ。
  そこに気づける蘭は、やっぱり凡人よりも人に親身になれる才能があると思う。そういうところが好き……。

 

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あとがき

  ご無沙汰しております!やっと3巻目です!

  実は、6/6でこの『探偵日誌』を始めて1年が経ちました。まだ3巻‼︎‼︎‼︎‼︎  文章書くの苦手にしてもさすがに遅すぎかなと(笑)更新率上げられたらなぁ。毎回のように言ってる気がするけど。

  『ゼロの執行人』のことも書こう書こうと思ってていつの間にか2ヶ月も経ってしまった(゚ω゚)また、いつかの機会に…

 

 

♡♡♡♡♡THANK YOU FOR READING ♡♡♡♡♡

〜My favorite 1コマ〜

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名探偵コナン』3巻 p18より